公正証書の借用書とは?個人間借金取り立て時の強力な武器に!

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名村法律事務所

Notarial deed

知り合いにお金を貸してほしいと言われた際に、取り立て時など後で揉めないためにどのような対策をしておけばよいのでしょうか?

少額の借金なら特に問題はありませんが、高額の借金をする場合は「公正証書」を作っておくことをおすすめします。

ただ公正証書とは何か?と思う方も多いかもしれませんね。

今回は公正証書について説明していきます。

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公正証書とは?確実に借金を回収したいなら借用書ではなく公正証書!

Close up on businessmans hands working

公正証書とは法的効力のある借用書のことをいいます。

作成は公証人という内容を証明してくれる第3者が法律に従って行うので、その公正証書は、高い証明力を持つことになります。

公正証書を作っておくことで、債務者が返済できなくなった際に給料や財産の差し押さえを強制的に実行できます。

公正証書ではない借用書には法的な制約力がないため、返済できなくなってもすぐに差押えをすることはできません。

このように高い証明力をもつ公正証書ですが、メリットとデメリットがあるため、それぞれについて確認していきましょう。

公正証書を作るメリット・デメリット!個人間の借金も安心?!

公正証書のメリット

Portrait of a handsome young man with beard smiling
まずは公正証書のメリットについてそれぞれ見ていきましょう。

紛失しても再発行可能&改ざんされない

公正証書は作成後、原本を公証人役場で保管し、債権者には正本を渡され、債務者には謄本を渡されます。

万が一紛失した場合も、公証人役場で申請すれば再発行してもらうことができます。

さらには、原本はずっと公証人役場にて管理されているので、改ざんされる恐れもありません。

裁判なしで差し押さえできる

借金の際に借用書を作っておいても、法的な効力がないためすぐに差押えをすることはできません。

裁判を行ってからでないと差押えは実行できないため、お金や時間もかかります。

しかし公正証書を作っておけば裁判なしで給料や財産の差し押さえができるため、すぐに借金を回収することができるのです。

証拠になる

公正証書は公証人が作成したものなので、高い証拠力を持ちます。

それは裁判でも有利となるので、借金に関するトラブルがあってもすぐに解決します。

借用書などの自身で作成した文章は法的な効力もなく、証拠力が欠けます。

後々改ざんされている可能性もあるので、裁判になっても有力な証拠として認められない可能性が高いのです。

公正証書のメリットまとめ

公正証書を作成しておくことで、万が一借金の返済がなくなった場合も踏み倒される心配がありません

また債務者と裁判になってお金を貸した・借りてないなどと揉めても公正証書があれば借りたことを証明できるので、債権者にはぜひ作成しておいてほしい書類です。

公正証書のデメリット

Stressed Woman Working In Office

公正証書にはメリットの他にデメリットもあります。ではそのデメリットについて紹介しましょう。

費用と手間がかかる

公正証書は公証人に作成してもらう必要があります。

そのため自身で作る借用書とは違って費用も手間もかかります。また、費用は公証人に支払う手数料・収入印紙代・諸費用が必要です。

作成する際は債権者・債務者の両方が必要書類を持って公証役場に行かなければなりません。

代理人が代わりに行くこともできますが、この点を考えてもやはり手間がかかると言えるでしょう。

どういう借金の場合に公正証書を作るべきか

Thinking smiling woman with questions mark above

ではどういう場合に公正証書を作るべきなのでしょうか?

公正証書を作る目安としては人にもよりますが60万円より大きいお金を貸す場合に検討したほうがよいでしょう。

なぜなら60万円以上になると、「少額訴訟」という制度が利用できないためです(少額訴訟については後述)。

ケーススタディ|60万円より大きい個人間借金の場合

Financial problems in family.

それでは、60万円より大きいのお金を貸す場合の公正証書の作成について、例を紹介していきましょう。

例として100万円以上の借金の場合を考えます。

お金を貸す側をA、借りる側をBとします。

AとBは知り合いで、Bがお金に困ったことからAに100万円を貸してほしいと言ってきました。

個人間の借金の場合は基本的に口約束だけで借金をしてしまいます。

しかし万が一Bが踏み倒したとしたらどうでしょう?

口約束では裁判になっても勝てる保証はありません。

そうなれば貸したお金が返ってくることもなく、泣き寝入りをするはめになってしまうのです。

そうならないためには公正証書が役立つので、60万より大きいお金を貸す場合は必ず公正証書を作っておきましょう

60万円以下の場合には強制執行できる?少額訴訟とは

gavel and cash money

60万円以下の場合は少額訴訟という制度が利用できます。

少額訴訟の場合には、判決または和解後に強制執行を行うことができます。

通常の裁判とちがってすぐに裁判を終わらせることができるので、60万以下の場合は公正証書を作らなくてもこの制度を利用すれば借金の回収が可能です。

公正証書の費用はどれくらいかかるの?

Pressure of work

公正証書を作成してもらう際は各費用が必要になります。

費用は借金額によっても変わりますので、きちんと調べておくことをおすすめします。

公証人にかかる費用

公証人とは法律の専門家のことです。

裁判官や検察など、法律に関係する仕事に長く携わっている人の中から法務大臣が任命することで公証人になる事が出来ます。

そして公証人が執務をする場所のことを公証役場と言います。

公正証書を作成する際は公証人に手数料を支払わなければなりません。

手数料は借金額に応じて変わります。

  • 100万円以下…5000円
  • 100~200万円…7000円
  • 200~500万円…11000円
  • 500~1000万円…17000円

手数料は公正証書の受け取りの際に必要となります。

正本・謄本にかかる費用

公正証書が出来たら、その原本は公証役場にて保管されます。

当事者二人には正本と謄本が渡されます。

どちらも紛失をした際は、公証役場にて再発行が可能です。

正本と謄本も費用が必要で、1ページ×250円となっています。

ページ数分お金がかかるということです。

送達費用

公正証書が出来上がったら公証役場に受け取りに向かいます。

債権者本人が向かわなくてはなりませんが、債務者が来られない場合は特別送達という方法で郵送が可能です。

送達費用は1400円と切手代です。

これの他に送達証明の費用も加算されます。

送達証明とは、相手方に公正証書の正本、または謄本がきちんと届いていることの証明ができます。

これは申請しなければもらえませんので、公証役場で申請しておきましょう。

収入印紙

公正証書の作成には収入印紙も必要です。

収入印紙は金銭の借金に関する公正証書には不可欠なものです。

収入印紙代も借金額によって変わります。

  • 1~10万円…200円
  • 10万1円~50万円…400円
  • 50万1円~100万円…1000円
  • 100万1円~500万円…2000円

この費用も公正証書の受け取りの際に支払うこととなります。

行政書士

公正証書について調べていると行政書士という職業が目につくと思います。

公正証書を作成する際は公証役場を訪れる前に公正証書作成原案を提出しなければなりません。

公正証書作成原案は、当事者二人が内容に合意していることを公証人に伝えることが目的です。

しっかりと作成されていれば手続きがスムーズに進みます。

ただこういった書面を自力で作成するのは、法律に関する知識がなければとても難しいでしょう。

その際に書面作成のプロである行政書士にお願いすれば、公正証書作成原案を作ってもらえます。

相談しながら自分で作ってみることもできるので、まずは専門家に相談・依頼をしてみましょう。

行政書士に依頼するには依頼料がかかります。

事務所によって違いますが、5万円~というところが多くなっています。

依頼する際はこの費用も用意しておきましょう。

公正証書作成手続きの手順

Job applicant having an interview

それでは公正証書作成手続きの手順について説明していきます。

実際に作成するときは、この手順を見ながら漏れがないかを確認しながら行いましょう。

公正証書の内容を決める

まずは公正証書の内容を決めます。

公正証書の内容は双方の氏名や借金額、返済方法、返済期限、利息、遅延損害金などです。

作成時の注意点

公正証書の内容を決める際に注意したいのが、お互いが納得のいく内容で法律に違反していないことです。

公正証書は借金に関して高い証拠力を持ち、裁判でも通用する書面です。

ですのでどちらかに不利益があれば、後々問題になってしまうでしょう。

内容に関して困ったことがあれば、行政書士や弁護士、司法書士などの法律の専門家に相談してみてください。

面談

公正証書原案ができたら、いよいよ公証役場に行って公証人と面談です。

面談について説明していきます。

面談の予約方法

公証人と面談を希望する際は事前に予約をしておきましょう。

予約は電話で行うことができますので、行こうと思っている公証役場に電話をして出頭する日付を伝えておいてください。

公証役場に持参するものは、本人確認ができる身分証明書と公正証書原案と印鑑です。

身分証明の種類によって印鑑の種類が変わります。

運転免許証・パスポート・住民基本台帳カードの場合は認印。

印鑑証明の場合は実印が必要です。

いずれか一点を持っていけばいいでしょう。

もし代理人に行ってもらうなら、本人の委任状が必要です。

委任状にはどのような内容の公正証書の作成を委任したのかが記載されていなければなりません。

それに本人の実印と印鑑証明書も必要なので、代理人に任せる際はこれらを用意しておいてください。

当日

予約した当日に公証役場に債権者と債務者で向かい、公証人と面談を行います。

その際に用意した書類を提出してください。

公証人が内容確認を行い、最終稿の確認が出来たら手数料が確定します。

手数料は公正証書を受け取る際に支払うこととなります。

また完成希望日についても聞かれるので、いつ頃がいいかを伝えておきましょう。

面談時の注意点

面談の際に公証人が公正証書原案の内容の確認を行います。

内容について説明してくれるので、双方の合意内容と合っているかを必ず確認してください。

内容と合っていれば公証人が作成に入ります。

公正証書の受け取り

完成希望日に公証役場に向かいます。

この日に公正証書を受け取ることができますが、持参するものもありますので必ず持っていきましょう。

日程調整

完成希望日は双方が都合のつく日で構いません。

また債権者だけが公証役場に行くということでもいいでしょう。

その場合は公正証書の謄本が債務者に送られることとなります。

特別送達という方法で郵送されるので、送達費用と送達証明の費用を払わなければなりません。

持参するもの

完成日に必要なのが手数料と印鑑です。

印鑑証明を本人確認書類として提出している場合は実印を、それ以外の場合は認印を持っていきましょう。

当日

完成希望日に公証役場に向かい、正本を受け取ります。

この際は債権者本人でなければなりません。

当日は代理人に任せることができませんので、債権者本人が必ず行くようにしてください。

債務者が来ない場合は、特別送達という手段で本人の自宅に送付することとなります。

この方法で債務者に謄本を贈る場合は、公証役場で送達証明を申請しておきましょう。

受け取り時の注意点

公正証書を受け取る際の注意点は、債権者本人が行くこと

そして印鑑を必ず持っていくことです。

正本は原本ではありませんが、正本があれば強制執行を行うことができますので厳重に保管しておいてください。

債務者が公証役場に来ない場合は送達証明を申請すること。

これで相手方に公正証書の謄本が届いたことが証明されるので、後々になって届いていないなんてことにもなりません。

公正証書の借用書まとめ

young woman portrait with a toothy smile

いかがでしたか?

公正証書は作成の手間や費用がかかりますが、回収できないリスクを回避すると思えば安いのかもしれません。

特に、個人間の借金は取り立ての際にも非常な有効なため、ぜひ作成することを検討してみてください。